排泄は人間の尊厳をも左右する重要な行為です。
この問題が解決されないと、我々は限られた範囲しか行動出来ません。
私は1962年生まれなのですが、子供の頃はトイレで非常に苦労しました、70年代はまだ洋式トイレは珍しく、公共施設でさえ障害者用トイレの設置は、ほとんどありませんでした。
したがって、外出や旅行などはかなり制限され、修学旅行も行けませんでした(それだけが理由では無いのですが大きなウエイトを占めています)初めて行く場所では不安になり、まずトイレ探しがクセになっていました。
80年代中頃より各自治体による福祉事業の推進により、各所に「車椅子専用トイレ」が設置され、一般の施設やデパートにも増設されてきた時期なんですが、使えないトイレが多かったですね。
トイレットペーパーがない、掃除用具置き場になっている、閉鎖された空間のせいか荒らされて鍵や便座が壊されていて、いつまでたっても修理されない、等々、そのようなトイレが多々ありました。
そして94年に「ハートビル法」が制定され、「バリアフリー」と言う言葉が市民権を得たように思います、最近建てられた大規模な店舗などは、この法律に従って建築されていますので、必ず障害者用トイレが設置されています、中・小規模の店舗は適用外なのですが、出入り口のスロープやトイレの手すりなどを増設されている店舗をよく見かけるようになりました。
最近では、トイレも人に優しい「ユニバーサルデザイン」へ変化しつつあります【車椅子専用トイレ】から【車椅子優先トイレ】そして小さなお子様連れの方などに便利な、誰でも使える【多目的トイレ】変化しつつあります。
私は車椅子ではないので、専用トイレの使用はちょっとためらう事もありましたが、最近では通常の個室でも広く、ほとんど洋式トイレが設置してありますので、外出時の不安はかなり減少しました。
私の場合、足元が広い洋式トイレがあれば用が足せます。
しかし、ユニバーサルデザインを謳った【多目的トイレ】が、車椅子の方にとって優しくない使いにくいトイレが多いようです、開閉式のベビーベットが開いたままだと、通れない・回転出来ないなど、使用者の意識とモラルによるものですけど、これは設計上の欠陥以外の何物でもない。
また、既設の【車椅子優先トイレ】をわざわざに改造し、ベビーベットやベビーチェアなどをを増設し、【多目的トイレ】として、車椅子の方が使えないトイレへ変貌している事があります、すべての設備を展開した状態で、以前以上の広さがなければ、車椅子の移動や介助が困難になる事も気づかずに・・・
建物管理者の方、建築士の方、メーカーの方へお願い致します、時代の流れ、イメージ、管理面だけで安易に【多目的トイレ】にしないで下さい、同じ車椅子でも電動等、一台一台サイズが違います、そして1人でも多くの障害者の意見を聞いて下さい。
今後のよりよい社会、町づくりために、ハートビル法の認定事項に、”10人以上の各障害者の認定書が必要”と言ったような項目があればなぁ~。
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一般的な専用トイレですが、
ドアの開閉が非常に重かった。

ここは、男女それぞれにに専用トイレが
設置してありました、見ての通り
小用に人が立っていると車椅子は
通れません、そして何より介助者が
異性ですと中に入れません。

ある病院の車椅子優先トイレのベビーベットを展開した状態。
この開閉にはそれなりの力が要ります、
筋力の弱い方には、かなりの負担になります。 |